素因数分解を速く解く裏ワザ!割り算の順番と大きな数でも迷わない計算のコツ

明るい自宅の学習机で素因数分解を勉強する中学生の水彩風イラスト。右側にカラフルな数字ブロック、素数を表す丸い模型、計算ノート、鉛筆、時計を配置。左側にタイトル用の広い余白を確保した横長16対9の構図。淡いブルーとグリーンの柔らかな自然光、温かく清潔な雰囲気 お金の裏ワザ

素因数分解を速く解くコツは、2・3・5などの倍数判定で割れる数を見つけ、必要な割り算だけを行うことです。

3桁・4桁の大きな数字でも、数字の特徴を見分ける方法を知っていれば、計算の手間を減らせますね。

この記事では、基本のすだれ算から5つの裏ワザ、252・598・2021・4848の解き方まで、具体的な計算式と比較を交えて解説します。

  1. 素因数分解を速く解く裏ワザ5選とは?まず覚えたい倍数判定
    1. 裏ワザ5選を一覧で確認
    2. 裏ワザ① 2と5は一の位を見るだけ
    3. 裏ワザ② 3と9は各位の数字を足す
    4. 裏ワザ③ 11は交互に足し引きする
    5. 裏ワザ④ 4と8は下2桁・下3桁を見る
    6. 裏ワザ⑤ 6は2と3の判定を組み合わせる
    7. 応用:7の倍数は一の位を2倍して引く
  2. 素因数分解の基本とは?すだれ算と平方根のルールを覚えよう
    1. 素数と素因数分解の意味
    2. すだれ算なら計算過程を整理しやすい
    3. どこまで割ればよい?平方根のルール
    4. なぜ平方根以下だけでよいの?
  3. 3桁・4桁の素因数分解を速く解くには?252・598・2021・4848で実践
    1. 252の素因数分解は2と3で順番に割る
    2. 598の素因数分解は13を見つけるのがポイント
    3. 2021の素因数分解は平方の差を使う
    4. 2021を通常の方法で解く場合は?
    5. 4848の素因数分解は101を利用する
  4. 通常の解き方と裏ワザはどちらが速い?計算回数を比較
    1. 4つの数字を計算回数で比較
    2. 252はまとめて割ると回数を減らせる
    3. 598は倍数判定で不要な筆算を減らせる
    4. 2021は平方の差を知っているかで変わる
    5. 4848は規則性を見つけることが重要
    6. 1001を使う応用方法はどう考える?
    7. 1001法で倍数判定するときの注意点
  5. 素因数分解をさらに速くする練習方法は?筆者の考察と5日間の学習例
    1. 最初の数秒で確認したい3つのポイント
    2. 間違えやすいポイントを先に知っておく
    3. 1日5問から始める5日間の練習例
    4. 答えが正しいか検算する方法
    5. 素因数分解はほかの数学にも役立つ
    6. 筆者が考える、もっとも実践的な解き方
  6. まとめ|素因数分解を速く解くには数字の特徴を見分けよう
  7. よくある質問
    1. 素因数分解を速く解くには何から覚えればよいですか?
    2. 4桁の素因数分解を簡単に解く裏ワザはありますか?
    3. 素因数分解はどこまで割れば終わりですか?

素因数分解を速く解く裏ワザ5選とは?まず覚えたい倍数判定

素因数分解を速く解くために、最初に覚えたいのは5つの倍数判定です。

一の位や各位の数字の和を確認するだけで、割り算を始める前に候補を絞れます。

裏ワザ5選を一覧で確認

裏ワザ 見分け方 具体例
① 2・5の倍数判定 一の位を確認する 128は2の倍数
② 3・9の倍数判定 各位の数字を足す 729は9の倍数
③ 11の倍数判定 各位を交互に足し引きする 121は11の倍数
④ 4・8の倍数判定 下2桁・下3桁を見る 312は8の倍数
⑤ 6の倍数判定 2と3の条件を組み合わせる 126は6の倍数

この5つが、今回紹介する基本の裏ワザです。

さらに、7の倍数判定や平方の差、101を利用する方法も応用編で取り上げます。

裏ワザ① 2と5は一の位を見るだけ

2の倍数は、一の位が0・2・4・6・8のいずれかです。

5の倍数は、一の位が0または5になっています。

たとえば、128は末尾が8なので2で割れます。

128÷2=64

64=2⁶なので、次のように素因数分解できます。

128=2⁷

一方、345は末尾が5なので、5で割れます。

345÷5=69

69=3×23

したがって、答えは次のとおりです。

345=3×5×23

また、末尾に0がある数字では、10=2×5を利用すると便利です。

1200なら、12×100に分けて考えられます。

1200=12×100

=(2²×3)×(2²×5²)

=2⁴×3×5²

大きな数字を小さなまとまりに分けると、計算の見通しがよくなりますね。

裏ワザ② 3と9は各位の数字を足す

3の倍数かどうかは、各位の数字を足せば判断できます。

合計が3の倍数なら、元の数字も3で割り切れます。

たとえば、123の場合です。

1+2+3=6

6は3の倍数なので、123も3で割れます。

123÷3=41

41は素数なので、答えは次のようになります。

123=3×41

9の倍数も同じ考え方です。

各位の数字の合計が9の倍数なら、元の数字も9で割り切れます。

729を例にしてみましょう。

7+2+9=18

18は9の倍数なので、729も9で割れます。

729÷9=81

81=9×9

つまり、次のようになります。

729=9×9×9

9=3²ですから、最終的な答えは次のとおりです。

729=3⁶

9は素数ではありませんが、3を2個まとめて取り出すために利用できます。

ただし、最後は必ず素数だけのかけ算に直しましょう。

裏ワザ③ 11は交互に足し引きする

11の倍数は、各位の数字を交互に足し引きすると判定できます。

計算結果が0、または11の倍数になれば、元の数字も11で割り切れます。

たとえば、121の場合です。

1-2+1=0

したがって、121は11の倍数です。

121÷11=11

つまり、次のようになります。

121=11²

もう少し大きな123123でも確認してみましょう。

1-2+3-1+2-3=0

結果が0なので、123123も11で割り切れます。

なお、計算結果が11や-11、22などになっても構いません。

11で割り切れる整数になれば、判定条件を満たしています。

11の倍数判定は少し複雑に感じるかもしれませんが、慣れると大きな数字の候補を減らすのに役立ちますね。

裏ワザ④ 4と8は下2桁・下3桁を見る

4の倍数は、下2桁が4で割り切れる数字です。

8の倍数は、下3桁が8で割り切れる数字になります。

たとえば、312を考えてみましょう。

下2桁の12は4の倍数なので、312も4で割り切れます。

さらに、312は8でも割り切れます。

312÷8=39

39=3×13

8=2³なので、答えは次のようになります。

312=2³×3×13

通常なら2で3回割るところを、8でまとめて割ることができました。

ただし、8は素数ではありません。

答えを書くときは、必ず2³に直してくださいね。

裏ワザ⑤ 6は2と3の判定を組み合わせる

6の倍数を見分けるには、2と3の両方で割り切れるかを確認します。

偶数であり、各位の数字の和が3の倍数なら、6で割り切れます。

たとえば、126の場合です。

一の位が6なので、126は偶数です。

さらに、各位の数字を足してみましょう。

1+2+6=9

9は3の倍数なので、126は6でも割り切れます。

126÷6=21

21=3×7

6=2×3ですから、次のようになります。

126=2×3²×7

2と3の判定を組み合わせるだけなので、覚えやすい方法ですね。

応用:7の倍数は一の位を2倍して引く

7の倍数を見分けたいときは、一の位を2倍して、残りの数字から引く方法があります。

たとえば、203の場合です。

一の位は3なので、2倍すると6になります。

残りの20から6を引きます。

20-6=14

14は7の倍数なので、203も7で割り切れます。

203÷7=29

29は素数なので、答えは次のとおりです。

203=7×29

この方法は、元の数を10a+bと表したとき、a-2bが7の倍数になることと、元の数が7の倍数になることが同じという性質を利用しています。

ただし、小さい数字なら7の九九を思い出したほうが簡単な場合もあります。

すべての問題で使う必要はありません。

※画像はAIによるイメージ

素因数分解の基本とは?すだれ算と平方根のルールを覚えよう

素因数分解は、2以上の自然数を素数だけのかけ算に分けることです。

小さい素数から順番に割り、残った数が素数になったところで終了します。

素数と素因数分解の意味

素数とは、正の約数が1と自分自身の2つだけである、2以上の整数です。

代表的な素数には、次のような数字があります。

  • 2・3・5・7
  • 11・13・17・19
  • 23・29・31・37
  • 41・43・47

1は素数ではありません。

また、4・6・8・9などは、さらに小さな整数のかけ算に分けられるため、素数ではありません。

たとえば、12を素因数分解すると次のようになります。

12=2×2×3

同じ素数をまとめると、次の形になります。

12=2²×3

このように、素数だけのかけ算で表すのが素因数分解です。

すだれ算なら計算過程を整理しやすい

すだれ算は、割る素数を左側に、割った結果を下側に書く方法です。

たとえば、60を素因数分解してみましょう。

プレーンテキスト
2 ) 60
2 ) 30
3 ) 15
5
左側に並んだ2・2・3と、最後に残った5をかけ合わせます。

60=2×2×3×5

したがって、答えは次のとおりです。

60=2²×3×5

すだれ算を使うと、どの素数で何回割ったのかを確認しやすくなります。

暗算が苦手な方でも、途中の数字を整理しながら進められるのがメリットですね。

どこまで割ればよい?平方根のルール

素因数分解で大切なのが、残った数の平方根以下の素数だけを調べれば、素数かどうか判断できるというルールです。

これは、大きな数字ほど役立つ考え方です。

たとえば、97が素数かどうかを確認してみましょう。

9²=81

10²=100

つまり、√97は9より大きく10より小さい数です。

したがって、97が素数かどうかを調べるには、9以下の素数だけ確認すれば十分です。

対象は2・3・5・7の4つになります。

97は奇数なので2では割れません。

各位の数字の和は16なので、3でも割れません。

末尾が7なので、5でも割れません。

7で割ると、次のようになります。

97=7×13+6

商は13、余りは6です。

つまり、7でも割り切れません。

したがって、97は素数です。

なぜ平方根以下だけでよいの?

理由は、整数のかけ算の性質にあります。

もしある数nが素数でなければ、n=a×bという形で、1より大きい2つの整数に分けられます。

このとき、aとbの両方が√nより大きいことはありません。

両方が√nより大きければ、かけ合わせた結果がnを超えてしまうからです。

つまり、素数でない数には、必ず平方根以下の素因数が存在します。

そのため、平方根以下の素数で一度も割り切れなければ、その数は素数と判断できます。

このルールを覚えると、必要のない割り算を続けずに済みますね。

なお、素因数分解の途中で残った数が素数と確認できたら、その数も答えに含めて終了します。


3桁・4桁の素因数分解を速く解くには?252・598・2021・4848で実践

3桁・4桁の素因数分解でも、基本は小さい素数から割ることです。

ただし、平方の差や数字の繰り返しを利用すると、割り算の回数を減らせる場合があります。

ここでは、具体的な4つの数字を使って解き方を比較します。

252の素因数分解は2と3で順番に割る

252の素因数分解は、次のとおりです。

252=2²×3²×7

252は偶数なので、まず2で割ります。

252÷2=126

126÷2=63

63は奇数なので、次に3で割れるか確認します。

6+3=9

9は3の倍数なので、63も3で割り切れます。

63÷3=21

21÷3=7

最後に残った7は素数です。

したがって、次のようになります。

252=2×2×3×3×7

=2²×3²×7

この方法では、素数による割り算を4回行っています。

一方、9の倍数判定を利用すると、少し違う進め方もできます。

252÷4=63

63÷9=7

4=2²、9=3²なので、同じ答えになります。

252=2²×3²×7

後者は割り算を2回にまとめられますが、4と9を素数の累乗に直す作業が必要です。

私は、252のような数字では、最初は基本のすだれ算を使い、慣れてきたら4や9でまとめて割る方法を試すのがよいと考えています。

598の素因数分解は13を見つけるのがポイント

598の素因数分解は、次のとおりです。

598=2×13×23

まず、598は偶数なので2で割ります。

598÷2=299

299は奇数なので、2では割れません。

各位の数字を足すと、次のようになります。

2+9+9=20

20は3の倍数ではないため、299も3では割り切れません。

末尾が9なので、5でも割れません。

7の倍数判定を使うと、次のようになります。

29-2×9=11

11は7の倍数ではないので、299も7では割り切れません。

続いて、11の倍数判定です。

2-9+9=2

2は11の倍数ではないため、299は11でも割り切れません。

そこで13を試します。

299÷13=23

23は素数なので、ここで終了です。

598=2×13×23

この例では、実際に割り切れた割り算は2回でした。

ただし、その前に3・5・7・11の倍数判定を行っています。

ここが重要なポイントです。

割り算の回数が少ないことと、計算全体の作業量が少ないことは同じではありません。

299の平方根は17より大きく18より小さいため、素数判定では17以下の素数が候補になります。

299が13で割れるとわかった時点で、残った23が素数かどうかを確認すれば十分です。

√23は5未満なので、23については2と3だけ調べればよいことになります。

このように、平方根のルールと倍数判定を組み合わせると、どこまで確認すべきかが明確になりますね。

2021の素因数分解は平方の差を使う

2021の素因数分解は、次のとおりです。

2021=43×47

2021は奇数なので、2では割れません。

各位の数字を足すと5になるため、3でも割れません。

末尾が1なので、5でも割れません。

通常の方法では、7・11・13・17など、小さい素数から順番に調べることになります。

しかし、2021には別の特徴があります。

それは、2025に非常に近い数字だということです。

45×45=2025

2021は、2025より4だけ小さい数字です。

そこで、次のように表せます。

2021=2025-4

2025=45²、4=2²なので、次の形になります。

2021=45²-2²

ここで、平方の差の公式を使います。

a²-b²=(a-b)(a+b)

当てはめると、次のようになります。

2021=(45-2)×(45+2)

=43×47

43と47はどちらも素数なので、これで完成です。

この方法なら、2021を何度も割る必要がありません。

ただし、45²=2025を知っていることと、平方の差の公式を使えることが前提になります。

平方数を探す時間も必要なので、すべての人にとって必ず速いとは限りません。

2021を通常の方法で解く場合は?

2021を通常の試し割りで解く場合も確認しておきましょう。

√2021は約44.96です。

したがって、2021が素数かどうかを判断するには、44以下の素数を調べれば十分です。

2・3・5・7・11・13・17・19・23・29・31・37・41のいずれでも割り切れません。

次の素数である43を試すと、次のようになります。

2021÷43=47

47は素数なので、答えは43×47です。

通常の方法では、割り切れない候補を多数確認する必要があります。

一方、平方の差を使う方法では、45²と2²の関係に気づけば、割り算を使わずに因数を見つけられます。

筆者としては、2021は平方の差が有効な典型例だと考えています。

ただし、2023のように2025との差が2である数字では、同じ形の平方の差をそのまま利用することはできません。

実際には、次のようになります。

2023=7×17²

つまり、近い平方数を見つけることと、簡単に素因数分解できることは別なのです。

4848の素因数分解は101を利用する

4848の素因数分解は、次のとおりです。

4848=2⁴×3×101

この数字をよく見ると、48が2回繰り返されています。

実は、次のように表せます。

4848=48×101

101=100+1なので、次の関係が成り立ちます。

48×101=48×100+48

=4800+48

=4848

あとは48を素因数分解するだけです。

48=2⁴×3

101は素数なので、答えは次のとおりです。

4848=2⁴×3×101

一方、通常のすだれ算では次のようになります。

4848÷2=2424

2424÷2=1212

1212÷2=606

606÷2=303

303÷3=101

したがって、通常の方法でも同じ答えになります。

101を使う方法は、4848という大きな数字を最初に48と101に分けられるのが特徴です。

ただし、48の素因数分解は必要なので、計算がすべて省略できるわけではありません。

同じ2桁の数字を2回繰り返した4桁の数は、101を使って分解できます。

たとえば、2323の場合です。

2323=23×101

23も101も素数なので、これで完成です。

数字の繰り返しに気づけると、普段とは違う解き方が見つかりますね。


通常の解き方と裏ワザはどちらが速い?計算回数を比較

裏ワザの効果を判断するときは、割り算の回数だけでなく、倍数判定や公式を思い出す作業も考えることが大切です。

ここでは、252・598・2021・4848の4つについて、通常の方法と応用方法を同じ基準で比較します。

4つの数字を計算回数で比較

以下の表では、割り算の回数を「実際に商を求める割り算の回数」として数えています。

割り切れるかどうかを調べる判定作業は、割り算とは別に扱います。

数字 通常の方法 応用方法 必要な知識
252 素数で4回割る 4と9で2回割る 4・9の倍数判定
598 2と13で各1回割る 判定で候補を絞り、同じく2回割る 倍数判定・平方根
2021 43で1回割る前に13個の候補を除外 平方の差で0回 平方数・因数分解公式
4848 素数で5回割る 48×101に分け、48を4回割る 101の性質

この表は、各方法の代表的な計算手順を比較したものです。

実際の所要時間を測定した結果ではなく、割り算の回数だけで速さが決まるわけでもありません。

252はまとめて割ると回数を減らせる

252の場合、通常のすだれ算では4回の割り算を行います。

一方、252÷4=63、63÷9=7と進めれば、割り算は2回です。

ただし、4=2²、9=3²と直す必要があります。

4や9の性質を理解している人なら、まとめて割る方法が便利でしょう。

初心者の場合は、2と3で順番に割るほうが、途中の数字を確認しやすいかもしれません。

598は倍数判定で不要な筆算を減らせる

598では、2で割ったあとに299が残ります。

299について、3・5・7・11で割り切れないことを判定し、13で割ると23になります。

ここで注意したいのは、倍数判定も計算作業の一つだということです。

たとえば、7の倍数判定では29-18=11を計算します。

11の倍数判定では2-9+9=2を計算します。

つまり、割り算の筆算を省けても、別の計算は必要になります。

私は、598のような問題では、倍数判定を使う目的を「割り算をゼロにすること」ではなく、「候補を効率よく減らすこと」と考えるのが適切だと思います。

2021は平方の差を知っているかで変わる

2021は、平方の差を使うことで割り算を行わずに43×47へ分解できます。

ただし、45²=2025を思い出せなければ、平方数を探すための計算が必要です。

また、平方の差の公式をまだ習っていない場合は、通常の試し割りのほうが理解しやすいでしょう。

2021の例からわかるのは、裏ワザの効果は、数字の特徴だけでなく、解く人の知識にも左右されるということです。

学校のテストでは、習った範囲の方法を優先することも大切ですね。

4848は規則性を見つけることが重要

4848を通常のすだれ算で解くと、素数で5回割ります。

一方、4848=48×101と分ければ、48を2で4回、3で1回割る代わりに、48の素因数分解だけを考えればよくなります。

48をすでに2⁴×3と理解していれば、割り算を書かずに答えを出すこともできます。

ただし、48を一から割り算する場合は4回の割り算が必要です。

さらに、101が素数であることも確認しなければなりません。

101は√101が約10.05なので、2・3・5・7で割り切れなければ素数です。

このように、101法は大きな数字の処理を簡単にする方法ですが、必ず計算時間を短縮するとは限りません。

1001を使う応用方法はどう考える?

3桁の数字が2回繰り返されている場合は、1001を利用できます。

たとえば、947947です。

947947=947×1001

1001=7×11×13なので、次のようになります。

947947=947×7×11×13

ここで947が素数かどうか確認します。

√947は約30.77なので、30以下の素数で割り切れるかを調べれば十分です。

対象は2・3・5・7・11・13・17・19・23・29です。

947はこれらの素数では割り切れないため、素数です。

したがって、答えは次のとおりです。

947947=7×11×13×947

この方法は、6桁の数字をいきなり割る必要がない点で便利です。

ただし、1001の分解と、947の素数判定という2つの作業が必要になります。

1001法で倍数判定するときの注意点

1001=7×11×13という性質を使うと、7・11・13の倍数判定にも応用できます。

たとえば、21229を考えてみましょう。

1001×21=21021なので、次のように計算できます。

21229-21021=208

1001は7・11・13のいずれでも割り切れるため、21229と208は、これらの数で割ったときの余りが一致します。

次に、208を4で割ります。

208÷4=52

52÷4=13

4と7・11・13は、それぞれ互いに素です。

そのため、208が7・11・13のどれかで割り切れるかどうかは、208÷4=52でも変わりません。

さらに52を4で割って13にしても、同じ関係が成り立ちます。

結果が13なので、元の21229は13で割り切れ、7と11では割り切れないことがわかります。

実際に計算すると、次のようになります。

21229÷13=1633

1633=23×71

したがって、答えは次のとおりです。

21229=13×23×71

ここで重要なのは、4で割る操作が、途中の整数が4で割り切れる場合に限られることです。

また、4と判定対象の7・11・13が互いに素であるため、倍数判定の結果を保てます。

もし4と判定対象の数に共通の素因数があれば、同じ説明はそのまま使えません。

この方法は応用的なので、初心者の方は無理に覚える必要はありません。

まずは基本の倍数判定を確実に使えるようになることを優先しましょう。

※画像はAIによるイメージ

素因数分解をさらに速くする練習方法は?筆者の考察と5日間の学習例

素因数分解を速く解けるようになるには、倍数判定を覚えるだけでなく、数字に合った方法を選ぶ練習が大切です。

筆者としては、最初から暗算の速さを目指すより、正確に解く手順を身につけてから計算を省く方法を学ぶほうが、無理なく続けやすいと考えています。

最初の数秒で確認したい3つのポイント

問題を見たら、すぐに割り算を始める前に、次の3つを確認してみましょう。

  • 末尾を見る: 2や5で割れるか確認する
  • 数字の和を見る: 3や9で割れるか確認する
  • 数字の形を見る: 平方数や繰り返しの規則性がないか確認する

たとえば、4848なら末尾が8なので、2で割れることがわかります。

各位の数字の和は24なので、3でも割れます。

さらに、48が2回繰り返されているため、101を利用する方法も見つかります。

ここで大切なのは、見つけた方法をすべて使う必要はないということです。

もっとも理解しやすく、計算ミスを防げそうな方法を選べばよいでしょう。

間違えやすいポイントを先に知っておく

素因数分解では、計算が合っていても答えが完成していない場合があります。

特に注意したいのは、次の3つです。

まず、4や9などの合成数を答えに残してしまうことです。

たとえば、252=4×9×7は正しいかけ算ですが、素因数分解の完成形ではありません。

4=2²、9=3²に直す必要があります。

次に、残った数が素数かどうか確認せずに終了することです。

たとえば、598=2×299で止めてしまうと、299=13×23を見落としています。

最後に、倍数判定で割り切れるとわかっただけで、実際の割り算を省略してしまうことです。

倍数判定は、あくまで割れる候補を見つける方法です。

そのあとに商を求め、必要ならさらに分解しなければなりません。

私は、この3つを意識するだけでも、素因数分解の答えを見直しやすくなると考えています。

1日5問から始める5日間の練習例

素因数分解の練習は、最初から難しい問題に挑戦する必要はありません。

まずは2桁の数字から始め、少しずつ3桁・4桁へ進む方法がおすすめです。

日数 練習テーマ 例題
1日目 2桁の基本問題 18・36・72
2日目 3桁の基本問題 120・180・252
3日目 倍数判定の活用 126・312・598
4日目 4桁の応用問題 1200・2021・4848
5日目 復習と検算 間違えた問題を解き直す

これは、学習を進めるための一例です。

5日間で必ず習得できるという意味ではないので、自分のペースで取り組んでみてくださいね。

最初は時間を測らず、正確な答えを出すことを優先しましょう。

慣れてきたら、同じ程度の難しさの問題を解く時間を記録してみるのもよい方法です。

ただし、速さだけを評価するのではなく、間違えた原因も一緒に確認することが大切です。

答えが正しいか検算する方法

素因数分解の答えを確認するには、出てきた素数をすべてかけ合わせます。

たとえば、252の場合です。

252=2²×3²×7

右側を計算すると、次のようになります。

4×9×7=252

元の数字に戻るので、計算が一致していることを確認できます。

ただし、検算ではもう一つ確認したいことがあります。

それは、答えに素数以外の数字が残っていないかという点です。

かけ合わせて元の数字に戻ることと、素因数分解が完成していることは別です。

この2つを確認する習慣をつけると、答えの書き方の間違いにも気づきやすくなりますね。

素因数分解はほかの数学にも役立つ

素因数分解は、最大公約数や最小公倍数、平方根の計算にも利用できます。

たとえば、12と18の最大公約数を求めてみましょう。

12=2²×3

18=2×3²

共通する素因数を、それぞれ少ないほうの個数だけ取り出します。

2×3=6

したがって、最大公約数は6です。

平方根の計算にも利用できます。

たとえば、√18の場合です。

18=2×3²

したがって、次のようになります。

√18=3√2

さらに、正の約数の個数を求めるときにも役立ちます。

12=2²×3¹なので、それぞれの指数に1を足してかけ合わせます。

(2+1)×(1+1)=6

つまり、12の正の約数は6個です。

このように、素因数分解はほかの単元を理解するための土台にもなっています。

筆者が考える、もっとも実践的な解き方

私は、素因数分解を速く解くために、難しい裏ワザをたくさん暗記する必要はないと考えています。

むしろ、基本の割り算を確実に行い、数字の特徴が見つかったときだけ応用する方法が、初心者には取り入れやすいでしょう。

今回の4つの例を振り返ると、それぞれ適した方法が異なります。

252では、2と3の倍数判定が役立ちました。

598では、割れない候補を減らすことが重要でした。

2021では、平方の差を使うことで割り算を省略できました。

4848では、同じ2桁の数字が繰り返されていることがポイントでした。

この違いから、計算を速くするためには、単に割り算の技術を磨くだけでなく、数字を観察する力も必要だと考えられます。

ただし、今回比較したのは計算手順であり、実際の解答時間を測定したものではありません。

そのため、特定の方法が必ず速いと断定することはできません。

筆者自身は数学教育の専門家ではありませんが、複数の解法について計算過程を確認し、初心者が取り入れやすい方法を比較して整理しています。

その立場からおすすめしたいのは、次の4つの流れです。

数字を観察する→方法を選ぶ→計算する→検算する

この順番を意識すると、すぐに答えが見つからない問題でも、落ち着いて取り組みやすくなるでしょう。

また、平方の差や101・1001を使う方法は、学校で学習している範囲によっては応用的な内容になります。

授業やテストでは、先生から指定された解き方や学習範囲を優先してくださいね。


まとめ|素因数分解を速く解くには数字の特徴を見分けよう

素因数分解を速く解くために大切なのは、難しい計算を無理に暗算することではありません。

まずは2・3・5などの小さい素数から確認し、倍数判定を利用して割れる候補を絞ることが基本です。

特に、2と5は一の位、3と9は各位の数字の和、11は交互の足し引きで判断できます。

また、4・8・6の倍数判定を組み合わせれば、複数の素因数をまとめて取り出せる場合もあります。

3桁の252や598では、基本の割り算と倍数判定が役立ちます。

一方、4桁の2021では平方の差を利用して、2021=43×47と分解できました。

4848のように同じ2桁の数字が繰り返されている場合は、101を利用する方法もあります。

ただし、裏ワザにはそれぞれ使いやすい数字と、使いにくい数字があります。

そのため、基本のすだれ算を身につけたうえで、数字の特徴に合わせて方法を選ぶことが、速く正確に解くための近道です。

まずは18や72などの簡単な数字から練習し、少しずつ3桁・4桁の問題に挑戦してみませんか?

一つずつ解ける問題が増えていけば、素因数分解が数字のパズルのように感じられるかもしれませんね。


よくある質問

素因数分解を速く解くには何から覚えればよいですか?

まずは2・3・5の倍数判定を覚えるのがおすすめです。

2と5は一の位、3は各位の数字の和で判断できます。

そのあと、2→3→5→7→11という順番で割る練習をすると、計算の流れを身につけやすくなります。

4桁の素因数分解を簡単に解く裏ワザはありますか?

4桁の数字では、平方の差や数字の繰り返しを利用できる場合があります。

たとえば、2021は45²-2²を利用して43×47に分解できます。

4848なら、48が2回繰り返されているため、48×101と表せます。

ただし、どの数字にも使える方法ではないので、規則性が見つからなければ基本の割り算に戻りましょう。

素因数分解はどこまで割れば終わりですか?

残った数が素数になれば終了です。

素数かどうか迷った場合は、その数の平方根以下の素数で割り切れるかを確認しましょう。

たとえば、97なら√97は10未満なので、2・3・5・7で割り切れなければ素数と判断できます。

最後に、答えが素数だけのかけ算になっていることも確認してくださいね。

結城 智秋(暮らしのアイデアライター)

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