質量パーセント濃度は「溶質÷溶液×100」で求められます。3つの質量を整理する裏ワザを使えば、基本問題から応用問題まで解きやすくなります。
中学1年生の理科で「公式は覚えたのに、どの数字を使えばいいか分からない」と悩むことはありませんか?
この記事では、質量パーセント濃度を簡単に計算する5つの裏ワザと、公式の覚え方、間違いやすいポイント、テストに役立つ例題を分かりやすく紹介します。
質量パーセント濃度の裏ワザ5選とは?まず公式と解き方を覚えよう
質量パーセント濃度を簡単に解くコツは、計算する前に数字の意味を整理することです。
難しい公式をいくつも覚える必要はありません。基本の割合を理解すれば、さまざまな問題に対応できます。
質量パーセント濃度の裏ワザ5選を一覧で確認
まずは、今回紹介する5つの方法をまとめて見てみましょう。
裏ワザ 方法 役立つ場面
① 3つの箱 溶質・溶媒・溶液を分ける 数字の取り違え防止
② 部分÷全体 割合から公式を思い出す 公式を忘れたとき
③ 水と水溶液を区別 分母になる数字を見極める 基本問題
④ 逆算の公式 濃度から溶質を求める 応用問題
⑤ 逆算チェック 答えから元の量を確かめる テストの見直し
特におすすめなのは、①の「3つの箱」と③の「水と水溶液の区別」です。
この2つを組み合わせると、濃度計算で起こりやすい分母の間違いを見つけやすくなります。
質量パーセント濃度の公式は3つだけ覚えればいい?
質量パーセント濃度の計算で使う基本的な式は、次の3つです。
① 濃度を求める公式
質量パーセント濃度(%)=溶質の質量(g)÷溶液の質量(g)×100
② 溶質の質量を求める公式
溶質の質量(g)=溶液の質量(g)×濃度(%)÷100
③ 溶液全体の質量を求める公式
溶液の質量(g)=溶質の質量(g)÷濃度(%)×100
③は濃度が0%ではない場合に使えます。
一見すると3つの公式を覚える必要がありそうですが、実際には①を変形したものです。
例えば、食塩水200gに食塩が30g含まれていれば、
30÷200×100=15%
となります。
逆に、15%の食塩水200gに含まれる食塩を求めるなら、
200×15÷100=30g
です。
さらに、食塩30gが全体の15%なら、
30÷15×100=200g
と求められます。
「全体のうち、溶けているものが何%あるか」を理解すると、公式の意味がつながって見えてきますね。
溶質・溶媒・溶液の違いとは?
公式を正しく使うために、3つの言葉を整理しておきましょう。
理科の言葉 意味 食塩水の場合
溶質 溶けている物質 食塩
溶媒 溶質を溶かす液体 水
溶液 溶質が均一に溶けたもの全体 食塩水
例えば、水90gに食塩10gをすべて溶かしたとします。
このとき、食塩水全体は100gです。
10÷100×100=10%
つまり、濃度は10%になります。
ここで大切なのは、分母に使うのは水90gではなく、食塩水100gという点です。
なお、溶質と溶媒の質量を足して溶液の質量を求めるのは、溶質がすべて溶け、途中でこぼれたり蒸発したりしていない場合です。
学校の基本問題では、この条件を前提にすることが多いですね。
裏ワザ①:3つの箱を使うとなぜ間違いが減る?
問題文を読んだら、最初に次の3つの箱をノートに書きます。
- 溶質:○g
- 溶媒:○g
- 溶液:○g
例えば、「水170gに砂糖30gをすべて溶かした」という問題なら、
- 溶質:30g
- 溶媒:170g
- 溶液:200g
と整理できます。
あとは、
30÷200×100=15%
で答えが出ます。
この方法が役立つ理由は、計算する前に問題文の数字と、公式で必要な数字を区別できることです。
では、なぜ数字を整理しないと間違えやすいのでしょうか。
問題文には「水170g」と「砂糖30g」という2つの数字が登場します。
そこで公式だけを思い出すと、目の前にある2つの数字をそのまま使い、30÷170と計算してしまうことがあります。
しかし、公式で必要なのは「砂糖の質量」と「砂糖水全体の質量」です。
つまり、問題文に書かれた数字が、そのまま公式に入るとは限りません。
3つの箱を使えば、問題文を読み取る作業と、計算する作業を分けられます。
私は、この分離こそが3つの箱の大きな利点だと考えています。
計算ミスを減らすというより、計算を始める前に条件の読み違いに気づきやすくする方法なんですね。

裏ワザ②:「部分÷全体」で公式を思い出す
公式を忘れたときは、算数の割合に戻って考えましょう。
例えば、100個のお菓子のうち25個がチョコレートなら、チョコレートの割合は25%です。
25÷100×100=25%
食塩水も同じ考え方です。
食塩水100gのうち食塩が25gなら、濃度は25%になります。
つまり、質量パーセント濃度は、
部分÷全体×100
という割合の計算なんです。
「溶質」という言葉を忘れてしまったら、「溶けているもの」と言い換えても構いません。
意味から公式を思い出せるようになると、丸暗記に頼らずに済みますね。
裏ワザ③:「水」と「水溶液」を見分ける
質量パーセント濃度の基本問題では、「水」と「食塩水」の違いが答えを左右します。
次の2つを比べてみましょう。
問題A:水180gに食塩20gをすべて溶かした。
この場合、食塩水全体は200gです。
20÷(180+20)×100=10%
問題B:食塩水180gに食塩20gが含まれている。
こちらは、食塩水全体が最初から180gと分かっています。
20÷180×100≒11.1%
同じ180gと20gなのに、答えが変わりました。
これは、180gが表しているものが違うからです。
問題Aでは水だけの質量、問題Bでは食塩水全体の質量を表しています。
テストでは、問題文の「水」「食塩水」という言葉に印をつけると、判断しやすくなりますよ。
裏ワザ④:溶質を求めるときは掛け算にする
濃度が分かっていて、溶質の質量を求める場合は、割り算ではなく掛け算に変えます。
例えば、8%の食塩水250gには、食塩が何g含まれているでしょうか。
250×8÷100=20g
答えは20gです。
さらに、水の質量を求めるなら、
250-20=230g
となります。
ここで、濃度8%を小数の0.08に直して、
250×0.08=20g
と計算しても構いません。
百分率を小数に直す方法は、慣れると計算を短くできますね。
裏ワザ⑤:答えを逆算して確認する
最後は、計算した答えから元の条件に戻る方法です。
例えば、砂糖水150gに砂糖が30g含まれている場合、
30÷150×100=20%
となります。
本当に20%なのか確かめるには、
150×20÷100=30g
と計算します。
最初の砂糖30gと一致しました。
このように逆算すると、計算結果を確認できます。
ただし、最初に分母を間違えていた場合、同じ間違った数字で逆算しても気づけないことがあります。
逆算する前に、問題文と3つの箱をもう一度見比べることが大切ですね。
質量パーセント濃度の計算方法は?基本例題を3ステップで解説
質量パーセント濃度の基本問題は、溶質を確認する→溶液全体を求める→公式に当てはめるという3ステップで解けます。
ここでは、基本的な例題を使って、実際の計算方法を確認しましょう。
例題1:水120gに食塩30gを溶かしたら何%?
問題:水120gに食塩30gをすべて溶かしました。質量パーセント濃度は何%でしょうか?
ステップ1:溶質を確認する
溶質は食塩30gです。
ステップ2:溶液全体を求める
120+30=150g
ステップ3:公式に当てはめる
30÷150×100=20%
答えは20%です。
ここで確認したいのは、120gが水だけの質量だということ。
最初に食塩水全体の質量を求めれば、あとは割合の計算だけですね。
例題2:濃度12%の食塩水を200g作るには?
問題:12%の食塩水を200g作りたいとき、食塩と水はそれぞれ何g必要でしょうか?
まず、食塩の質量を求めます。
200×12÷100=24g
次に、水の質量を求めます。
200-24=176g
したがって、答えは次のとおりです。
- 食塩:24g
- 水:176g
検算すると、
24÷200×100=12%
になります。
この問題では、最初から食塩水全体の質量が分かっているため、溶質を逆算することがポイントです。
なお、実際に水溶液を調製するときは、溶ける量の限界である溶解度も関係します。
今回のような基本問題では、指定された食塩がすべて溶ける条件として考えましょう。
例題3:食塩15gで5%の食塩水を作るには?
問題:食塩15gを使って、5%の食塩水を作ります。水は何g必要でしょうか?
この問題では、食塩水全体の質量が分かっていません。
そこで、先ほどの逆算の公式を使います。
15÷5×100=300g
食塩水全体は300gです。
ここから食塩15gを引くと、
300-15=285g
答えは水285gになります。
このように、何を求める問題なのかによって、最初に使う式が変わります。
「濃度を求める」「溶質を求める」「水を求める」という3つの問題を区別すると、計算の見通しがよくなりますね。
質量パーセント濃度でよくある計算ミスは?3つの間違いを防ごう
質量パーセント濃度で多い計算ミスは、分母の取り違え、濃度の単純平均、100倍の忘れです。
それぞれ間違える理由が異なるため、原因を理解しておくと見直しがしやすくなります。
間違い①:水の質量を分母にしてしまう
問題:水70gに食塩30gをすべて溶かしたときの濃度は?
間違った計算:
30÷70×100≒42.9%
正しい計算:
30÷(70+30)×100=30%
間違いの原因は、食塩水全体ではなく、水だけを基準にしていることです。
対策は、計算前に「分母は何の質量か」と自分に問いかけること。
特に「水○gに食塩○gを溶かした」という文章では、最初に足し算が必要ですね。
間違い②:違う濃度の食塩水を単純平均する
問題:10%の食塩水150gと、2%の食塩水50gを混ぜたときの濃度は?
間違った計算:
(10+2)÷2=6%
正しくは、まず食塩の質量を求めます。
10%の食塩水150gに含まれる食塩は、
150×10÷100=15g
2%の食塩水50gに含まれる食塩は、
50×2÷100=1g
です。
食塩の合計は16g、食塩水全体は200gなので、
16÷200×100=8%
答えは8%になります。
では、なぜ単純平均では間違うのでしょうか。
それは、2つの食塩水の量が違うからです。
10%の食塩水は150g、2%の食塩水は50gあります。
つまり、混ぜた後の食塩水では、10%の食塩水が全体の4分の3を占めています。
このように、量の違いを考慮して平均する方法を、数学では「重み付き平均」と呼びます。
今回なら、
(10×150+2×50)÷(150+50)=8%
という計算でも求められます。
この式は、食塩の質量をそれぞれ求めて合計する考え方を、ひとつにまとめたものです。
一方、10%の食塩水100gと2%の食塩水100gなら、量が同じなので単純平均が使えます。
(10+2)÷2=6%
この場合は6%が正解です。
つまり、単純平均がいつでも間違いなのではありません。
混ぜる量が同じなら単純平均、違うならそれぞれの溶質の質量を計算すると覚えておきましょう。
この違いは、濃度計算だけでなく、平均点や商品の平均価格などを考えるときにも役立つ考え方ですね。
間違い③:100倍を忘れてしまう
問題:食塩水250gに食塩25gが含まれている場合、濃度は何%でしょうか?
25÷250=0.1
ここで「0.1%」と答えるのは間違いです。
0.1は、百分率に直す前の割合だからです。
正しくは、
0.1×100=10%
となります。
なお、0.1という小数は割合として正しい値ですが、0.1%とは意味が違います。
「%」で答える問題では、最後に100倍したか確認しましょう。
計算ミスを防ぐにはどこを見直す?
3つの間違いを整理すると、次のようになります。
間違い 主な原因 見直すポイント
分母の取り違え 水と水溶液の混同 全体の質量を使ったか
単純平均 混ぜる量の違いを無視 溶質を合計したか
100倍忘れ 割合と百分率の混同 最後に×100したか
私は、計算ミスを「うっかり」で片づけないことが重要だと考えています。
例えば、分母を間違えたなら、計算練習を増やす前に溶質・溶媒・溶液の区別を確認したほうが、原因に直接向き合えます。
自分がどこで間違えたのかを知ることが、次の問題を正しく解くための第一歩ですね。

質量パーセント濃度の応用問題はどう解く?加水・蒸発・混合のコツ
応用問題では、溶質の質量が変わるのか、溶液全体の質量が変わるのかを確認することが重要です。
水を加える場合、水だけを蒸発させる場合、濃度の違う食塩水を混ぜる場合の3つを見ていきましょう。
水を加えると濃度はどうなる?
水だけを加えた場合、食塩の質量は変わらず、食塩水全体の質量が増えます。
そのため、濃度は薄くなります。
問題:20%の食塩水100gに、水100gを加えました。新しい濃度は何%でしょうか?
まず、もとの食塩の質量を求めます。
100×20÷100=20g
水を加えた後の食塩水全体は、
100+100=200g
です。
したがって、
20÷200×100=10%
答えは10%になります。
この問題で注目したいのは、食塩の質量が20gのままという点です。
食塩水全体が2倍になったため、濃度は半分になりました。
この関係を理解しておけば、計算結果が自然かどうかも判断できますね。
水だけを蒸発させると濃度はどうなる?
水だけを蒸発させ、食塩が結晶として分離しない場合、食塩の質量は変わらず、食塩水全体の質量が減ります。
そのため、濃度は高くなります。
問題:5%の食塩水200gから水を蒸発させ、10%の食塩水にします。水を何g蒸発させればよいでしょうか?
まず、食塩の質量を求めます。
200×5÷100=10g
次に、食塩10gが全体の10%になるときの食塩水の質量を求めます。
10÷10×100=100g
もとの食塩水は200gなので、
200-100=100g
答えは、水100gです。
ただし、実際の水溶液では、温度や溶解度によって溶質が結晶として出てくる場合があります。
この例題は、水だけが蒸発し、食塩がすべて溶けた状態を保つという条件で計算しています。
学校の問題でも、こうした条件を確認してから解きましょう。
違う濃度の食塩水を混ぜるときは?
混合問題では、それぞれの食塩水に含まれる食塩の質量を求めてから合計します。
少し難しい例題に挑戦してみましょう。
問題:9%の食塩水80gに、6%の食塩水を何g加えると8%になりますか?
まず、9%の食塩水80gに含まれる食塩は、
80×9÷100=7.2g
です。
次に、加える6%の食塩水をxgとします。
この食塩水に含まれる食塩は、
0.06xg
になります。
混ぜた後の食塩水全体は、
80+xg
です。
濃度が8%になるので、
(7.2+0.06x)÷(80+x)=0.08
という式ができます。
両辺に80+xを掛けると、
7.2+0.06x=6.4+0.08x
となります。
整理すると、
0.8=0.02x
x=40
です。
答えは、6%の食塩水40gになります。
検算すると、加えた食塩の質量は、
40×6÷100=2.4g
です。
混ぜた後の食塩は、
7.2+2.4=9.6g
食塩水全体は、
80+40=120g
なので、
9.6÷120×100=8%
と確認できます。
文字を使った計算は難しく感じるかもしれませんが、基本の考え方は同じです。
溶質の質量と溶液全体の質量を整理すれば、少しずつ式を作れるようになりますよ。
混合問題をもっと簡単に解く裏ワザは?
先ほどの問題は、濃度の差に注目して考えることもできます。
9%の食塩水を8%にするには、6%の食塩水を加える必要があります。
ここで、目標の8%との差を比べてみましょう。
- 9%と8%の差:1ポイント
- 8%と6%の差:2ポイント
目標の濃度からの差が大きい6%の食塩水は、9%の食塩水より少ない量で済みます。
実際には、9%の食塩水と6%の食塩水の質量比は、
2:1
になります。
9%の食塩水が80gなので、6%の食塩水は40gです。
この考え方は、濃度の差を使った混合計算として整理できます。
ただし、同じ溶質を含む水溶液を、質量を基準に混ぜる場合に使う方法です。
最初は食塩の質量を合計する基本の解法を理解し、その後に計算を短くする方法として使うとよいでしょう。
私は、こうした別解を知ることには、答えを速く出す以上の意味があると考えています。
同じ問題を違う角度から説明できるようになると、公式の意味をより深く理解しやすくなるからです。
粉末を水に溶かす場合も同じ計算でいい?
粉末がすべて水に溶ける場合も、基本的な質量割合の計算は同じです。
例えば、水1000gに粉末48gをすべて溶かしたと仮定しましょう。
溶液全体の質量は、
1000+48=1048g
です。
したがって、粉末全体の質量割合は、
48÷1048×100≒4.58%
となります。
ただし、スポーツドリンク用粉末などには、糖類や塩類など複数の成分が含まれることがあります。
その場合、4.58%という数字は粉末全体の質量割合であり、糖分だけ、あるいは塩分だけの濃度を表すものではありません。
また、粉末を加えた後に水を入れて一定の体積にする場合は、最初から水1000gに粉末48gを加える条件とは異なります。
実際の製品について計算するときは、何を基準にしているのか確認することが大切ですね。
質量パーセント濃度と溶解度の違いは?
質量パーセント濃度と溶解度は、どちらも水溶液に関係する言葉ですが、意味が異なります。
比較項目 質量パーセント濃度 溶解度
表すもの 溶質の質量割合 一定条件で溶ける最大量
基準 溶液全体の質量 水100gなど
主な単位 % gなど
主な問題 濃度計算 結晶の析出量
例えば、ある仮想の物質Aが、60℃では水100gに80g、20℃では30gまで溶けるとします。
60℃で80gをすべて溶かした後、水を蒸発させずに20℃まで冷やし、十分に結晶ができた場合、
80-30=50g
の結晶が出ると計算できます。
これは、温度によって溶ける最大量が変わることを利用した問題です。
濃度は「全体のうち何%か」、溶解度は「どれだけ溶けるか」。
この違いを押さえておけば、問題の種類を見分けやすくなりますね。
質量パーセント濃度の裏ワザはどう勉強する?筆者の考察と練習問題
質量パーセント濃度を身につけるには、最初から難しい問題に挑戦するよりも、基本の意味を理解してから応用へ進むことが大切だと考えています。
ここでは、効率的な学習順序と、テスト前に確認したい練習問題を紹介します。
なぜ基本問題から応用問題へ進むべきなのか?
質量パーセント濃度の問題は、大きく3つの段階に分けて考えられます。
第1段階:溶質・溶媒・溶液を見分ける
最初は、食塩と水の質量から食塩水全体の質量を求める問題に取り組みます。
ここでは、計算の速さよりも、何を分母にするのか理解することを優先しましょう。
第2段階:公式を逆算する
次に、濃度から溶質の質量を求めたり、必要な水の量を計算したりします。
この段階では、割合の意味を理解していないと、公式の使い分けが難しくなります。
第3段階:水の追加・蒸発・混合を考える
最後に、溶液全体の質量が変化する問題に進みます。
ここでは、計算式を作る前に、何が変わって何が変わらないかを整理する力が必要です。
この順序をおすすめする理由は、後の問題ほど、前の段階で学んだ考え方を組み合わせる必要があるからです。
例えば、混合問題では、溶質の質量を求める計算と、溶液全体から濃度を求める計算の両方を使います。
基本の区別が曖昧なまま進むと、どこで間違えたのか分かりにくくなります。
個人的には、問題の難易度を上げることよりも、ひとつ前の段階を自分の言葉で説明できることを重視したいと考えています。
なお、この学習順序は問題の構造から考えた提案であり、特定の教育実験によって効果を実証したものではありません。
自分の理解度に合わせて、無理なく進めてくださいね。
テスト前に役立つ「30秒チェック」とは?
テストで濃度計算が出たら、最後に次の3点を確認してみましょう。
- 分母は溶液全体の質量になっているか
- 水を加えたり混ぜたりした後の質量を正しく扱っているか
- 答えを%に直し、単位も正しく書いているか
この3点は、今回紹介した典型的な間違いに対応しています。
さらに、答えの大きさが自然かどうかも確認するとよいでしょう。
例えば、食塩水に水だけを加えたのに、濃度が高くなっていたら、どこかで計算を間違えた可能性があります。
反対に、水だけを蒸発させ、食塩が溶けたままなのに濃度が低くなっていた場合も見直しが必要です。
こうした「答えの方向」を確認する方法は、計算の途中で数字を取り違えたときに役立ちます。
質量パーセント濃度は何%から何%まで?
質量パーセント濃度は、溶質の質量が溶液全体の質量を超えないため、質量割合としては0%以上100%以下の範囲で表されます。
ただし、通常の溶液では溶質と溶媒の両方が存在するため、濃度は0%より大きく100%より小さい値になります。
100%では溶媒が存在しないため、通常の水溶液とは区別する必要があります。
例えば、食塩水の濃度が120%になった場合は、計算を見直しましょう。
また、通常の水溶液であれば、食塩を加え続けても無制限に濃度を高くできるわけではありません。
物質には温度などの条件によって溶ける量の限界があるためです。
このように、計算結果を理科の知識と照らし合わせることも大切ですね。
理解度チェック!練習問題5問
ここまでの内容を使って、5問に挑戦してみましょう。
最初は基本問題、後半は応用問題になっています。
問題1:基本の濃度計算
水160gに食塩40gをすべて溶かしました。質量パーセント濃度は何%でしょうか?
問題2:溶液全体が分かっている場合
砂糖水300gに砂糖45gが含まれています。質量パーセント濃度は何%でしょうか?
問題3:溶質の質量を求める場合
12%の食塩水250gには、食塩が何g含まれているでしょうか?
問題4:水を加える場合
15%の食塩水200gに水100gを加えました。新しい濃度は何%でしょうか?
問題5:異なる濃度の食塩水を混ぜる場合
8%の食塩水150gと、20%の食塩水50gを混ぜました。新しい濃度は何%でしょうか?
ここで一度、答えを見ずに計算してみてください。
分からない問題があったら、3つの箱を書いて数字を整理してみましょう。
練習問題の答えと解説
問題1の答え:20%
食塩水全体は、
160+40=200g
です。
40÷200×100=20%
となります。
問題2の答え:15%
砂糖水全体の質量は300gと分かっています。
45÷300×100=15%
ですね。
問題3の答え:30g
溶質の質量を求めるので、
250×12÷100=30g
となります。
問題4の答え:10%
もとの食塩水に含まれる食塩は、
200×15÷100=30g
です。
水100gを加えると、食塩水全体は300gになります。
30÷300×100=10%
となります。
問題5の答え:11%
8%の食塩水150gに含まれる食塩は、
150×8÷100=12g
です。
20%の食塩水50gに含まれる食塩は、
50×20÷100=10g
になります。
食塩の合計は22g、食塩水全体は200gなので、
22÷200×100=11%
です。
5問のうち、何問正解できたでしょうか。
間違えた問題があっても、答えだけを覚える必要はありません。
分母を間違えたのか、溶質の質量を求め間違えたのか、それとも百分率への変換を忘れたのかを確認しましょう。
原因が分かれば、次に復習する内容も明確になります。
質量パーセント濃度を身近な生活と結びつけると?
質量パーセント濃度は、理科のテストだけで使う知識ではありません。
例えば、料理で砂糖を水に溶かすときや、身近な製品の成分表示を読むときにも、割合の考え方が関係します。
ただし、製品に書かれた「%」が、必ず質量パーセント濃度を表しているとは限りません。
体積を基準にした割合や、別の方法で表された濃度もあります。
そのため、数字を見るときは「何を基準にした割合なのか」を確認することが重要です。
これは、今回の濃度計算で学んだ「部分と全体を区別する」という考え方そのものですね。
私は、公式を覚えること以上に、数字の意味を読み取れるようになることが、この単元を学ぶ価値のひとつだと感じています。
学習情報の信頼性はどう確認する?
質量パーセント濃度は、中学校の理科で扱う水溶液の学習に関係する基本的な内容です。
文部科学省の「中学校学習指導要領(平成29年告示)」では、理科の第1分野「身の回りの物質」に、水溶液に関する学習内容が位置づけられています。
また、「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編」では、水溶液の性質や物質の溶解について理解を深めるための指導内容が説明されています。
ただし、具体的な問題の出題範囲や計算方法の指導順序は、学校や教科書によって異なることがあります。
定期テストの対策では、まず学校で使用している教科書やワーク、授業で扱った例題を確認しましょう。
インターネットの解説を参考にするときも、公式だけでなく、問題文の条件が一致しているか確認することをおすすめします。
なお、この記事は基本的な理科の定義と計算方法に基づく学習解説です。
理科教員による専門監修や、紹介した裏ワザの教育効果を検証する実験は行っていません。
計算の考え方を整理するための補助的な学習方法として、自分に合うものを取り入れてみてくださいね。
よくある質問
質量パーセント濃度の公式を一番簡単に覚える方法は?
「溶けているもの÷水溶液全体×100」と覚えるのがおすすめです。
食塩水なら「食塩÷食塩水×100」と言い換えると、公式の意味を理解しやすくなります。
質量パーセント濃度で溶質÷溶媒×100を使ってもいい?
いいえ、質量パーセント濃度を求める場合は使えません。
正しい公式は「溶質÷溶液×100」です。
分母は水だけの質量ではなく、食塩水全体の質量になります。
質量パーセント濃度の応用問題を簡単に解くコツは?
最初に溶質の質量を求め、次に溶液全体の質量がどう変わるかを確認することです。
水を加える場合は溶液全体が増え、水だけを蒸発させる場合は減ります。
濃度の違う水溶液を混ぜる場合は、それぞれの溶質の質量を合計してから濃度を計算しましょう。
まとめ|質量パーセント濃度は5つの裏ワザで簡単に整理できる
質量パーセント濃度の計算を簡単にするには、公式を丸暗記するだけでなく、溶質・溶媒・溶液の違いを理解することが大切です。
基本公式は、
質量パーセント濃度(%)=溶質の質量÷溶液の質量×100
です。
今回紹介した5つの裏ワザを振り返りましょう。
- 裏ワザ①:溶質・溶媒・溶液を3つの箱に整理する
- 裏ワザ②:「部分÷全体×100」で公式を思い出す
- 裏ワザ③:「水」と「水溶液」の違いを確認する
- 裏ワザ④:濃度から溶質を求めるときは掛け算にする
- 裏ワザ⑤:答えから逆算して計算を確かめる
特に覚えておきたいのは、分母に使うのは溶液全体の質量ということです。
また、応用問題では、溶質の質量が変わるのか、溶液全体の質量が変わるのかを整理すると、式を作りやすくなります。
計算が苦手でも、最初から難しい問題を解く必要はありません。
まずは簡単な問題で3つの箱を使い、数字の意味を確認することから始めてみましょう。
一つひとつの計算を丁寧に理解していけば、応用問題にも少しずつ対応できるようになるはずです。
焦らず、自分のペースで練習してみてくださいね。
結城 智秋(ゆうき ともあき)|暮らしのアイデアライター
忙しい毎日の中でも、難しいことを少しでも分かりやすく、無理なく取り入れられるように。身近な疑問を一つずつ整理し、今日から役立つ知識や工夫をお届けしています。



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