シャトルランの記録を伸ばす裏ワザ7選!呼吸法・ターン・ペース配分のコツ

明るい学校の体育館でシャトルランに挑戦する小中学生と、20mの折り返し、呼吸のリズム、ペース配分をイメージした爽やかなパステルカラーの水彩風イラスト 暮らしの裏ワザ

シャトルランの記録を伸ばすには、序盤のペース配分、自然な呼吸、安定したターンを意識し、体力の無駄な消耗を減らすことが大切です。

20mを繰り返し走るシャトルランは、ただ速く走るだけでは記録が伸びにくい運動です。電子音に合わせた走り方や折り返しの工夫によって、今ある体力を効率よく使える可能性があります。

この記事では、スポーツ庁の公式ルールや2026年10月に公表された最新の体力・運動能力調査、スポーツ指導者の解説をもとに、記録を伸ばす7つのコツ、年齢別平均回数、50回・100回を目指す練習方法まで分かりやすく紹介します。

まず、シャトルランで意識したい7つのコツを確認しましょう。

  • ① ペース配分: 序盤から飛ばさず、電子音に合わせて走る
  • ② 加速と減速: 折り返し直前の急ブレーキを減らす
  • ③ 呼吸法: 息を止めず、肩の力を抜いて呼吸する
  • ④ ターン: 膝や足首を無理にひねらず方向転換する
  • ⑤ ターンの向き: 左右の折り返しを練習し、安定する方法を選ぶ
  • ⑥ 遅れへの対応: 1回遅れても慌てず、ルールに従って判断する
  • ⑦ 靴の準備: 足に合った滑りにくい運動靴を使用する

特に初心者におすすめなのは、①のペース配分と④のターンです。

どちらもシャトルラン特有の動きに関係しており、特別な体力トレーニングを始める前に見直せるポイントですね。

  1. シャトルランとは?20mのルールと終了条件を解説
    1. シャトルランでは何を測定する?
    2. シャトルランの正しい測定方法は?
    3. 電子音に1回遅れたら終了する?
    4. シャトルランは最初から速く走る必要がある?
  2. シャトルランの記録を伸ばす7つのコツとは?
    1. ① 序盤から飛ばさず、電子音に合わせて走る
    2. ② 加速と減速を工夫して急ブレーキを減らす
    3. ③ 呼吸のリズムを整え、肩の力を抜く
    4. ④ ターンは膝を軽く曲げて安定した姿勢で折り返す
    5. ⑤ 右回りと左回りのターンを練習する
    6. ⑥ 電子音に1回遅れても慌てず対応する
    7. ⑦ 滑りにくく、足に合った運動靴を選ぶ
  3. シャトルランの平均回数は?2025年度の最新データを紹介
    1. 2025年度の年齢別シャトルラン平均回数
    2. 2021年度と2025年度では平均回数がどう変わった?
    3. 学校の平均回数と全国平均は同じ?
  4. シャトルランで50回・100回を目指すには?記録別の練習方法
    1. 20回から30回を目指す人は何を練習する?
    2. 30回から50回を目指す人は何を意識する?
    3. 50回から100回を目指すには?
    4. 後半はどのくらい速くなる?
    5. 本番前にできる準備は?
  5. シャトルランの記録が伸びない原因は?3タイプ別の対策と考察
    1. ① 呼吸が先に苦しくなる人は持久力と力みを見直す
    2. ② 折り返しで脚が疲れる人はターンを見直す
    3. ③ 電子音に遅れやすい人はペース感覚を身につける
    4. 記録を伸ばすために「疲れ始めた回数」も残そう
    5. シャトルランのコツだけで持久力は高まる?
    6. シャトルランは平均回数より自己ベストを大切にしたい
  6. まとめ|シャトルランは呼吸・ターン・ペース配分が重要
  7. よくある質問
    1. シャトルランで一番効果的なコツは何ですか?
    2. シャトルランの呼吸は鼻呼吸と口呼吸のどちらがよいですか?
    3. シャトルランで100回走るには何が必要ですか?

シャトルランとは?20mのルールと終了条件を解説

シャトルランは、20m離れた2本の線の間を電子音に合わせて繰り返し走り、全身持久力を測定する体力テストです。

正式名称は「20mシャトルラン(往復持久走)」で、1999年度(平成11年度)の体力・運動能力調査から導入された新体力テストの種目として知られています。

シャトルランでは何を測定する?

シャトルランで測定するのは、長い時間にわたって運動を続けるための全身持久力です。

スポーツ庁の「新体力テスト実施要項」では、20mシャトルランを全身持久力の評価に用いる種目として位置づけています。

最初はゆっくりした速度から始まり、約1分ごとに電子音の間隔が短くなっていきます。

つまり、走る距離は毎回20mでも、後半になるほど速く走らなければならない仕組みです。

ここが、50m走などの短距離走との大きな違いですね。

短距離走では瞬間的な速さが重要ですが、シャトルランでは決められた速度を守りながら、何度も走り続ける能力が求められます。

そのため、足が速い人でもシャトルランが得意とは限りません。

反対に、短距離走がそれほど速くなくても、持久力やペース配分に優れている人は、シャトルランでよい記録を残せる可能性があります。

シャトルランの正しい測定方法は?

スポーツ庁の「新体力テスト実施要項(12~19歳対象)」に示されている基本的な測定方法は、次のとおりです。

1. 20m間隔で引かれた2本の平行線の一方に立つ
2. 5秒間のカウントダウン後、電子音に合わせて走り始める
3. 次の電子音までに反対側の線へ到達する
4. どちらかの足で線に触れるか、線を越えて折り返す
5. 電子音に合わせて反対側へ走り、同じ動作を繰り返す

ここで注意したいのは、電子音より早く線に到達した場合です。

公式ルールでは、早く到達した場合はその場で方向を変えて待ち、次の電子音が鳴ってから走り始めます。

早く着いたからといって、次の区間を先に走り始めてよいわけではありません。

また、記録は20mを移動するごとに1回と数えます。

例えば、スタート地点から反対側へ走れば1回、元の地点に戻れば2回です。

したがって、50回なら合計1,000m、100回なら合計2,000mを走ったことになります。

ただし、実際には20mごとに折り返すため、同じ距離を直線で走る場合とは体への負担が異なります。

電子音に1回遅れたら終了する?

シャトルランは、電子音に1回遅れただけで必ず終了するわけではありません。

スポーツ庁の実施要項では、設定された速度を維持できずに走るのをやめた場合、または2回続けて線に足が触れられなくなった場合に終了すると定めています。

ただし、1回遅れても、次の電子音までに遅れを解消できれば測定を続けられます。

例えば、折り返しで少しバランスを崩して到達が遅れたとしても、次の区間で遅れを取り戻せる場合があります。

一方、2回続けて到達できなかった場合は、最後に正しく線へ到達できた折り返しの総回数が記録となります。

これは、スポーツ庁の実施要項にある「20mシャトルラン(往復持久走)」の方法と記録の項目で確認できる内容です。

ただし、遅れを取り戻そうとして無理に全力疾走することはおすすめできません。

めまい、胸の痛み、強い息苦しさなどがある場合は、記録よりも安全を優先して運動を中止してください。

シャトルランは最初から速く走る必要がある?

シャトルランの序盤は、軽いジョギングに近い速度から始まります。

一般的な20mシャトルランの速度設定として、最初のレベルを時速8.0kmとする方式では、20mの移動時間は計算上約9秒です。

ただし、測定に使用する音源や速度表によって設定が異なる場合があるため、実際には学校や測定会場で使用する公式音源を基準にしてください。

例えば、20mを約9秒で走ればよい場面で、5秒で到達する必要はありません。

早く走っても回数が増えるわけではなく、次の電子音を待つことになります。

むしろ、必要以上に加速して急停止すると、余計な体力を使いやすくなります。

最初は「速く走る」よりも、「音に合わせて走る」ことを意識したいですね。


シャトルランの記録を伸ばす7つのコツとは?

シャトルランの記録を伸ばすには、呼吸、ペース配分、折り返しなどを工夫して、必要以上の体力消耗を減らすことがポイントです。

2023年7月5日に公開された「スポスルマガジン」では、加速と減速、呼吸法、ターンのタイミング、折り返し方向、遅れへの対応、靴の選び方などが紹介されています。

また、ランニング情報サイト「RUNNAL」が2019年1月18日に更新した記事でも、ペース管理や折り返し前の減速、滑りにくい靴の重要性が取り上げられています。

これらの情報を参考に、初心者でも取り組みやすい7つのコツを整理しました。

コツ 目的 特におすすめの人
ペース配分 序盤の体力消耗を抑える 最初から疲れやすい人
加速・減速 急停止の負担を減らす 折り返しで疲れる人
呼吸法 力みを減らす 息が苦しくなりやすい人
ターン 方向転換を安定させる 足がもつれやすい人
ターンの向き 動きの偏りを見直す 同じ足ばかり疲れる人
遅れへの対応 ルールに沿って継続を判断する 合図音に遅れやすい人
靴の準備 滑りや足のずれを防ぐ ターンが不安定な人

① 序盤から飛ばさず、電子音に合わせて走る

最初に意識したいのは、必要以上に速く走らないことです。

シャトルランは隣の人との競走ではないため、ほかの人より早く線に到達する必要はありません。

例えば、最初から勢いよく走ってしまうと、線に到達した後で長く待つことになります。

このとき、走る、急停止する、再び加速するという動作を繰り返すと、筋肉に余計な負担がかかる可能性があります。

おすすめなのは、電子音より少し早く到達できる程度のペースです。

ただし、毎回ぎりぎりのタイミングを狙うと、折り返しで少し遅れただけでも次の区間が苦しくなります。

余裕を残しながら、必要以上に速く走らないことが重要ですね。

周囲の人が速く走っていても、無理についていく必要はありません。

自分の走るリズムと電子音に集中してみましょう。

② 加速と減速を工夫して急ブレーキを減らす

シャトルランで体力を使いやすい動作の一つが、20mごとの急停止です。

走っている体には前へ進もうとする勢いがあるため、急に止まって反対方向へ走り出すには、脚の筋肉を使う必要があります。

スポスルマガジンでは、前半10mで加速し、後半10mで減速する考え方が紹介されています。

実際には、次のような動きを意識すると分かりやすいでしょう。

  • スタート直後は急に飛び出さず、滑らかに加速する
  • 中間地点では電子音に間に合う速度を保つ
  • 折り返しが近づいたら、少しずつ減速する
  • 線の付近で体を安定させ、反対方向へ走り出す

ただし、前半10mと後半10mを厳密に分ける必要はありません。

序盤のゆっくりしたレベルでは、ほぼ一定の速度で走るほうが楽な場合もあります。

反対に、後半の速いレベルでは、早く減速しすぎると電子音に間に合わなくなります。

大切なのは、折り返し直前まで全力で走り、急ブレーキをかける動きを減らすことです。

※画像はAIによるイメージ

③ 呼吸のリズムを整え、肩の力を抜く

シャトルランで息が苦しくなりやすい人は、呼吸だけでなく上半身の力みにも注目してみましょう。

緊張すると肩が上がり、呼吸が浅くなったり、体に余計な力が入ったりすることがあります。

スポスルマガジンでは、ランニングで使われる呼吸法として「2回吸って2回吐く」「2回吸って1回吐く」といったリズムが紹介されています。

例えば、足の動きに合わせて「スッ、スッ、ハッ、ハッ」と呼吸するイメージです。

ただし、この呼吸法がすべての人に適しているわけではありません。

走る速度や体力によって必要な呼吸量は変わるため、後半まで同じリズムを守ろうとすると、かえって苦しくなることがあります。

また、鼻呼吸だけにこだわる必要もありません。

運動が激しくなったときは、鼻と口の両方を使って自然に呼吸することもできます。

筆者としては、呼吸の回数を完璧に合わせることより、息を止めず、肩の力を抜いて走ることを優先したいと考えています。

#### 本番前に試したい肩のリラックス法

2023年3月19日に公開された子育て情報メディアの記事では、パーソナルトレーナーの藤本陽平さんが、シャトルランのコツを解説しています。

藤本さんは1997年に米国シアトルでフィットネスを学び、延べ5万人以上を指導してきた経験を持つトレーナーとして紹介されています。

その解説で取り上げられているのが、肩に力を入れてから抜く筋弛緩法です。

まず、息を吸いながら肩を軽くすくめ、2〜3秒ほど力を入れます。

その後、息を吐きながら肩の力をゆっくり抜きましょう。

これを2〜3回繰り返します。

強く力を入れる必要はなく、痛みのない範囲で行えば十分です。

本番前に緊張しているときは、こうした小さな準備から始めてみませんか?

④ ターンは膝を軽く曲げて安定した姿勢で折り返す

シャトルランでは、20m走るたびに180度方向を変えます。

そのため、折り返しの動きが不安定だと、余計な体力を使ったり、転倒につながったりする可能性があります。

例えば、勢いよく線に近づき、足だけを急にひねって方向転換すると、膝や足首に負担がかかります。

そこで意識したいのが、膝を軽く曲げて体を安定させることです。

折り返すときは、線の付近で足を置き、体の向きを変えてから反対方向へ走り出します。

このとき、足を床に固定したまま上半身だけを無理に回転させないようにしましょう。

また、必要以上に大きく回り込まないことも大切です。

例えば、毎回線を大きく越えてから折り返すと、余分な距離を走ることになります。

ただし、最短距離を狙って急激に方向転換することが、必ずしも安全とは限りません。

小さく鋭いターンより、安定して繰り返せるターンを目指したいですね。

#### ターンが苦手なら5〜10mから練習する

最初から20mを全力で往復する必要はありません。

まずは5〜10m程度の短い距離で、ゆっくり折り返す練習をしてみましょう。

慣れてきたら少しずつ速度を上げ、足の置き方や体の向きを確認します。

藤本陽平さんは、方向転換に慣れる運動として、サイドステップやクロスステップも紹介しています。

サイドステップは横向きに移動する動きで、クロスステップは足を交差させながら横へ進む動きです。

普段の前向きの走りとは異なる体の使い方を経験できるため、方向転換の練習に取り入れる方法があります。

※画像はAIによるイメージ

⑤ 右回りと左回りのターンを練習する

シャトルランでは、毎回同じ足を軸にして折り返している人もいるでしょう。

しかし、同じ方向へのターンを繰り返すと、片側の脚ばかりを使いやすくなります。

そこで試したいのが、右回りと左回りの両方を練習する方法です。

スポスルマガジンでも、折り返し方向を交互に変える工夫が紹介されています。

例えば、最初は右足を軸にして折り返し、次は左足を軸にする方法です。

左右の動きを使い分けることで、同じ動作への偏りを見直せる可能性があります。

ただし、左右交互にすることで必ず疲労が減るという十分な根拠があるわけではありません。

利き足や体の使い方には個人差があり、慣れていない方向へのターンは不安定になることもあります。

そのため、本番で突然切り替えるのではなく、練習で両方を試しておくと安心です。

私は、左右交互にすること自体を目標にする必要はないと考えています。

大切なのは、自分にとって安全で安定した折り返し方を見つけることですね。

⑥ 電子音に1回遅れても慌てず対応する

シャトルランの後半になると、電子音に間に合わなくなることがあります。

そんなとき、1回遅れただけで諦める必要はない場合があります。

スポーツ庁の公式ルールでは、次の電子音までに遅れを解消できれば測定を続けられます。

例えば、折り返しで少しバランスを崩しただけなら、余力があれば立て直せる可能性があります。

ただし、すでに体力の限界に近い状態で、無理に加速することは避けましょう。

遅れを取り戻そうとして急に速度を上げると、足がもつれたり、転倒したりするおそれがあります。

ルールを理解することと、限界まで無理をすることは別です。

安全に続けられるかを判断することも、シャトルランでは大切ですね。

⑦ 滑りにくく、足に合った運動靴を選ぶ

最後のコツは、靴の準備です。

シャトルランは何度も折り返すため、靴底が滑りやすいと方向転換が不安定になります。

RUNNALでも、滑りにくく足に合ったシューズを選ぶことが紹介されています。

体育館で測定する場合は、学校で指定された体育館シューズなどを使用しましょう。

靴底にほこりが付いている場合は、事前に状態を確認しておくと安心です。

また、靴ひもが緩いと、折り返すときに靴の中で足が動きやすくなります。

反対に、締めすぎると圧迫感や痛みにつながることがあります。

かかとが安定し、足の指を無理なく動かせる程度に調整してください。

特別に高価な靴を用意する必要はありません。

履き慣れていて、足に合い、実施場所に適した靴を選ぶことが重要です。


シャトルランの平均回数は?2025年度の最新データを紹介

シャトルランの平均回数は、年齢や性別によって異なります。

2026年10月11日、スポーツ庁は「令和7年度体力・運動能力調査」の結果を公表しました。

これは2025年度に実施された調査で、2026年10月20日時点で確認できる最新の年度別調査結果です。

今回の調査では、年齢別の体力テスト結果に加え、運動習慣やスポーツクラブへの所属状況などと体力の関係も分析されています。

2025年度の年齢別シャトルラン平均回数

スポーツ庁の「令和7年度体力・運動能力調査報告書」の統計数値表、表-1-2「反復横とび・20mシャトルラン・持久走・急歩」に掲載された平均値は、次のとおりです。

年齢 男子の平均回数 女子の平均回数
6歳 17.98回 14.78回
7歳 27.74回 21.03回
8歳 37.02回 27.27回
9歳 45.59回 33.64回
10歳 53.85回 40.71回
11歳 60.71回 45.90回
12歳 68.44回 48.66回

※スポーツ庁「令和7年度体力・運動能力調査報告書」統計数値表、表-1-2、報告書58ページの男女別平均値。2026年10月20日確認。

この表を見ると、6歳から12歳にかけて、男女とも平均回数が増えていることが分かります。

例えば、11歳男子の平均は60.71回、女子は45.90回です。

ただし、平均回数はその年齢の全員が達成すべき目標ではありません。

運動習慣や成長の速さには個人差があるため、平均より少なかったとしても、それだけで運動能力を判断することはできないのです。

2021年度と2025年度では平均回数がどう変わった?

以前の記事で参考値として紹介されていた2021年度の11歳の平均回数は、男子61.16回、女子47.52回でした。

一方、2025年度の公式統計では、男子60.71回、女子45.90回となっています。

この2つの数値を単純に比較すると、男子は0.45回、女子は1.62回少なくなっています。

ただし、2021年度の数値は取材記事に掲載されたもので、今回、元の統計表との個別照合までは完了していません。

そのため、この差だけを根拠に「子どもの持久力が低下した」と結論づけることは適切ではありません。

調査対象や年度ごとの条件、長期的な推移を合わせて確認する必要があります。

私は、平均値を比較するときほど、数字の背景を意識することが大切だと考えています。

わずかな増減に一喜一憂するより、同じ条件で自分の記録がどう変わったかを確認したいですね。

学校の平均回数と全国平均は同じ?

学校で聞いた平均回数と、スポーツ庁の調査結果が異なることもあります。

その理由の一つは、調査対象が違うためです。

スポーツ庁の「体力・運動能力調査」は、6歳から79歳までの幅広い年齢層を対象とする調査です。

一方、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」は、主に小学5年生と中学2年生を対象としています。

同じシャトルランでも、調査対象や集計方法が異なるため、数字をそのまま比較できるとは限りません。

平均回数を調べるときは、年度だけでなく、年齢、性別、調査名も確認しましょう。

※画像はAIによるイメージ

シャトルランで50回・100回を目指すには?記録別の練習方法

シャトルランで50回や100回を目指すには、現在の記録に合わせて練習内容を変えることが大切です。

例えば、20回前後の人と80回前後の人では、改善したいポイントが異なる可能性があります。

また、50回と100回では、必要な走行距離だけでなく、後半の速度への対応も変わります。

20回から30回を目指す人は何を練習する?

20回前後で終了してしまう人は、まず序盤のペース配分を見直してみましょう。

最初から速く走りすぎていないか、折り返しで急停止していないかを確認します。

特に初心者の場合、周囲の人につられて速く走ってしまうことがあります。

しかし、シャトルランでは電子音に合わせて走ればよいため、序盤から競争する必要はありません。

おすすめなのは、ゆっくりした20mの往復練習です。

最初は短い時間で構わないので、電子音に合わせて到達する感覚を覚えましょう。

また、普段から鬼ごっこや軽いジョギングなどで体を動かすことも、運動に慣れるきっかけになります。

最初の目標は、無理に大幅な記録更新を狙うのではなく、前回より落ち着いて走れるようになることです。

30回から50回を目指す人は何を意識する?

30回程度まで走れる人は、ペース配分に加えて、折り返しの効率を見直してみましょう。

50回に到達すると、20mを50区間走るため、合計距離は1,000mになります。

ただし、普通の1,000m走とは異なり、途中で何度も方向転換しなければなりません。

そのため、折り返しで大きく減速したり、必要以上に回り込んだりすると、脚が疲れやすくなる可能性があります。

練習では、次の3点を確認するとよいでしょう。

  • 線の付近で安定して方向転換できているか
  • 折り返し直前に急ブレーキをかけていないか
  • 電子音より極端に早く到達していないか

また、呼吸が先に苦しくなる場合は、日頃の持久力づくりも重要です。

軽いジョギングや年齢に合った運動を、無理のない範囲で続けてみましょう。

50回から100回を目指すには?

100回を目指す場合は、走り方の工夫だけでなく、十分な全身持久力が必要になります。

100回の走行距離は合計2,000mです。

ただし、シャトルランでは速度が段階的に上がるため、単に2,000mを走れるだけで100回に到達できるとは限りません。

後半は電子音の間隔が短くなり、折り返し後に素早く加速する能力も求められます。

そのため、100回を目指す人は、持久力を高める運動と、20mの往復動作に慣れる練習を組み合わせることが考えられます。

例えば、無理のない一定ペースのランニングで持久力を養い、別の日に20mの折り返し練習を取り入れる方法です。

ただし、練習量や強度は年齢、体力、運動経験によって調整する必要があります。

特に成長期の小中学生は、毎日限界まで走るような練習を避け、学校の先生や指導者と相談しながら進めましょう。

後半はどのくらい速くなる?

シャトルランの特徴は、約1分ごとに走行速度が上がることです。

例えば、20mの移動時間を速度から計算すると、次のようになります。

走行速度 20mの所要時間
時速8.0km 約9.00秒
時速9.0km 約8.00秒
時速10.0km 約7.20秒
時速11.0km 約6.55秒
時速12.0km 約6.00秒
時速13.0km 約5.54秒

※速度と距離から算出した参考値です。公式音源の各レベルと直接対応させた表ではありません。

この表を見ると、速度が上がるほど20mを走る時間が短くなることが分かります。

例えば、時速8.0kmでは約9秒ありますが、時速12.0kmでは約6秒しかありません。

しかも、実際にはその間に折り返し動作も必要です。

つまり、後半になるほど、ただ走る速度を上げるだけでなく、減速と再加速を素早く行う必要があります。

私は、この点がシャトルランの難しさを理解するうえで重要だと考えています。

序盤と後半では求められる動きが変わるため、同じペース配分の感覚だけでは対応しにくくなるのです。

本番前にできる準備は?

本番まで時間がない場合は、新しい練習を増やすより、体調と走る準備を整えることが大切です。

前日は十分な睡眠を取り、当日は体調を確認しましょう。

測定前には、軽いウォーキングや関節を動かす運動、短い距離のゆっくりしたランニングなどで体を温めます。

一方、本番直前に何度も全力疾走すると、測定前に疲れてしまう可能性があります。

準備運動は、体を動かしやすくすることが目的です。

また、靴ひもが緩んでいないか、床が滑りやすくないかも確認してください。

暑い環境では、水分補給や休憩にも注意が必要です。

発熱や体調不良がある場合は、先生や保護者に相談し、無理に参加しないようにしましょう。

※画像はAIによるイメージ

シャトルランの記録が伸びない原因は?3タイプ別の対策と考察

シャトルランの記録が伸びない原因は、一つではありません。

私は、記録を改善するためには、「持久力そのものを高めること」と「今ある体力を効率よく使うこと」を分けて考える必要があると思います。

例えば、呼吸が先に苦しくなる人と、折り返しで脚が疲れる人では、優先したい対策が異なります。

ここでは、3つのタイプに分けて考えてみましょう。

① 呼吸が先に苦しくなる人は持久力と力みを見直す

走り始めて間もない段階から息が苦しくなる人は、序盤のペース配分や上半身の力みに注目してみましょう。

必要以上に速く走っている場合は、電子音に合わせて速度を調整するだけでも、余計な運動量を減らせる可能性があります。

また、緊張して肩に力が入っている場合は、スタート前に軽く肩を動かしてリラックスする方法もあります。

ただし、呼吸法を変えるだけで持久力そのものが大きく高まるわけではありません。

普段から運動する機会が少ない場合は、軽いジョギングやさまざまな運動を継続し、少しずつ体力を高めることが重要です。

ここで参考になるのが、ニフティキッズの「キッズなんでも相談」に寄せられた相談です。

2025年4月17日、和歌山県の13歳の投稿者「タイピー」さんは、シャトルランの記録が毎年23回程度で、6回ほどから息が切れ始め、15回ごろには喉がつらくなると説明していました。

ほかの体力テストは比較的得意でも、シャトルランだけが苦手で、A判定を目指したいという内容です。

この相談に対し、12歳の「みのちゃん」さんは序盤に力を抜くことや呼吸を整えることを助言しています。

また、11歳の「メロン」さんは、小学5年生で68回を記録した経験を紹介し、落ち着いて呼吸することを勧めています。

これらは個人の体験談であり、効果が科学的に証明された方法ではありません。

ただ、実際にシャトルランを経験した子どもたちの間でも、ペース配分や緊張への対応が意識されている点は興味深いですね。

なお、少ない運動量でも強い息苦しさが生じる場合や、胸の痛み、めまい、普段と異なる呼吸の苦しさがある場合は、練習で解決しようとせず、運動を中止して大人や医療者に相談してください。

② 折り返しで脚が疲れる人はターンを見直す

呼吸には余裕があるのに、脚が先に疲れる人もいるでしょう。

その場合は、折り返しの動きに無駄がないか確認してみる価値があります。

シャトルランでは、20mごとに減速して方向を変え、再び加速します。

この動作は、直線を一定速度で走る場合とは異なる筋肉の使い方を必要とします。

運動生理学やスポーツ動作の研究では、方向転換時の減速、身体の向き、再加速などが運動負荷やパフォーマンスに関係することが検討されています。

ただし、ターンの技術を改善することでシャトルランの記録が何回伸びるかについては、今回確認した資料だけでは具体的な数値を示せません。

私は、折り返しの改善を「記録が必ず伸びる技術」ではなく、「余計な負担を減らすための工夫」と捉えるのが適切だと考えています。

例えば、毎回線を大きく越えてから折り返している場合は、ルールを守りながら無駄な移動距離を減らせる可能性があります。

また、急停止で脚に大きな負担がかかっている場合は、折り返し前の減速を見直す方法があります。

こうした小さな改善を積み重ねることが、後半の走りやすさにつながるかもしれません。

③ 電子音に遅れやすい人はペース感覚を身につける

体力には余裕があるのに、電子音に間に合わなくなる人は、ペース感覚を見直してみましょう。

シャトルランでは、決められた時間内に20mを移動する必要があります。

しかし、序盤から速く走りすぎる人もいれば、逆にゆっくり走りすぎて遅れてしまう人もいます。

RUNNALでは、シャトルランの音源に含まれる「ドレミファソラシド」の音階を目安にして、到達のタイミングをつかむ方法が紹介されています。

スポスルマガジンでも、中間地点を「ファ」や「ソ」のあたりで通過する考え方が取り上げられています。

ただし、音階を使った方法は、あくまでペースをつかむための補助的な工夫です。

本番では、使用する測定音源の電子音に合わせることが優先されます。

練習では、最初のゆっくりしたレベルから始め、電子音に合わせて線へ到達する感覚を身につけるとよいでしょう。

記録を伸ばすために「疲れ始めた回数」も残そう

ここで、私がおすすめしたい振り返り方法があります。

それは、最終記録だけでなく、どの段階から疲れを感じたかも記録することです。

例えば、次の内容をメモしてみましょう。

  • 最終記録は何回だったか
  • 何回目あたりから呼吸が苦しくなったか
  • 折り返しで脚が疲れ始めたのはいつか
  • 電子音より早く到達しすぎていなかったか
  • 次回は何を一つ改善したいか

例えば、前回30回で終了した人が、20回目から呼吸が苦しくなっていたとします。

次回は、序盤のペースを見直すことを目標にできます。

一方、呼吸には余裕があるのに、折り返しで脚が疲れてしまう人なら、ターンの練習を優先するとよいかもしれません。

このように、最終回数だけでは分からない自分の課題を見つけられることが、この記録方法の利点です。

ただし、記録が伸びたとしても、その原因が特定のコツだけにあるとは限りません。

睡眠、体調、気温、日頃の運動量など、さまざまな条件が影響するためです。

それでも、何を改善したいのかが明確になれば、練習に取り組みやすくなると私は考えています。

シャトルランのコツだけで持久力は高まる?

シャトルランの走り方を改善することと、持久力を高めることは同じではありません。

例えば、ペース配分を見直すことで、今ある体力を無駄なく使える可能性があります。

しかし、それだけで心肺機能や筋肉の持久力が大きく向上するわけではありません。

持久力を高めるためには、普段から継続的に体を動かすことが重要です。

スポーツ庁の令和7年度体力・運動能力調査でも、運動・スポーツの実施状況と体力との関係が分析対象になっています。

ただし、運動習慣がある人ほど体力が高い傾向が見られたとしても、それだけで特定の練習方法の効果を証明できるわけではありません。

年齢や運動経験、生活環境など、さまざまな条件を考慮する必要があります。

筆者としては、短期間で記録を伸ばしたい場合ほど、走り方の工夫と体力づくりを混同しないことが大切だと感じます。

本番直前ならペース配分やターンの確認を優先し、次の体力テストまで時間があるなら、日頃の運動習慣を整えることも考えたいですね。

シャトルランは平均回数より自己ベストを大切にしたい

シャトルランでは、周囲の人の記録が気になることもあるでしょう。

しかし、平均回数を下回っていたからといって、運動能力が低いと決めつける必要はありません。

例えば、前回20回だった人が25回を目指すことも、60回だった人が65回を目指すことも、それぞれ意味のある挑戦です。

成長期の子どもは、体格や体力の変化に個人差があります。

また、運動にはさまざまな種類があり、シャトルランだけで運動能力のすべてを評価できるわけではありません。

私は、シャトルランを単なる順位争いではなく、自分の体力や成長を知る機会として活用してほしいと思います。

前回より落ち着いて走れたことや、折り返しが安定したことも、十分に意味のある変化です。

記録だけにこだわらず、自分のペースで改善を重ねていきたいですね。


まとめ|シャトルランは呼吸・ターン・ペース配分が重要

シャトルランの記録を伸ばすには、序盤のペース配分、自然な呼吸、安定したターンを意識することが大切です。

今回紹介した7つのコツの中でも、特に取り組みやすいのは、電子音に合わせて走ること、急停止を減らすこと、肩の力を抜くことです。

また、50回や100回を目指す場合は、走り方の工夫だけでなく、普段から持久力を高める運動も重要になります。

2026年10月に公表されたスポーツ庁の最新調査では、11歳男子の平均回数は60.71回、女子は45.90回でした。

ただし、平均はあくまで参考値です。

周囲と比べるだけでなく、以前の自分からどのくらい成長したかを大切にしましょう。

最初から7つすべてを完璧にする必要はありません。

まずは自分が取り組みやすい方法を一つ選び、次のシャトルランで試してみませんか?


よくある質問

シャトルランで一番効果的なコツは何ですか?

初心者がまず取り組みやすいのは、序盤から速く走りすぎず、電子音に合わせてペースを調整することです。

ただし、折り返しが苦手な人はターンの改善が役立つ場合もあるため、自分の課題に合わせて選びましょう。

シャトルランの呼吸は鼻呼吸と口呼吸のどちらがよいですか?

鼻呼吸だけにこだわる必要はありません。

運動が激しくなると、鼻と口の両方を使ったほうが呼吸しやすい場合があります。

息を止めず、自分に合った自然な呼吸のリズムを優先してください。

シャトルランで100回走るには何が必要ですか?

100回走ると合計距離は2,000mになりますが、途中で何度も折り返し、段階的に速くなる電子音に対応する必要があります。

そのため、持久力を高める運動と、20mのペース配分やターンの練習を組み合わせることが大切です。

無理に短期間で達成しようとせず、年齢や体力に合った練習を続けましょう。

執筆:結城 智秋(ゆうき ともあき)|暮らしのアイデアライター

会社員時代に仕事と家事の両立に悩んだ経験から、日々の生活を少しラクにする工夫を調べ、分かりやすく紹介しています。この記事では、スポーツ庁の新体力テスト実施要項、令和7年度体力・運動能力調査報告書、スポーツ指導者の解説などを参考に、初心者にも実践しやすいポイントを整理しました。スポーツ指導者による監修記事ではありません。

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